Last Updated on 2019年8月23日 by tsushima
『脱毛してるんですか?!じゃあ僕の毛も抜いてくださいよー』
プライベートで「脱毛サロンをやってるんだ」と話をすると、こう言われることがよくあります。
どうも脱毛って「抜く」というイメージが付いてる方が多いようです。
今回はその辺りの脱毛のイメージについて、
・何故抜くなのか
・実際行われている主要な4つの脱毛方式とは
・抜く脱毛、抜かない脱毛のシェアは
この3つのポイントを解説していきます。
何故脱毛が「抜く」イメージなのか
脱毛が何故「抜く」というイメージなのか、とりあえず勝手に考察していきます。
二通り理由があるんじゃないかと思っていて、一つは文字の意味から派生した説、もう一つは最も古い脱毛方式のイメージが脈々と語り継がれてきた説です。
まず、脱毛の「脱」っていう字が「抜く」というイメージにつながったのかなというのが一つです。
そもそも脱毛って言葉には「毛が抜ける」「毛を抜く」の2つの意味があります。
現在は後者、「毛を抜く・除去する」という意味の方でよく知られていますよね。
で、コトバンクを見てみると、こんな情報がありました。
だつ‐もう【脱毛】
〘名〙
① 毛が抜け落ちること。また、抜けた毛髪。抜毛。
※新美装法(1916)〈藤波芙蓉〉三「この脱毛(ダツマウ)の疾患は」
② 美容上の理由で毛を抜いたりすること。除毛。
※新美装法(1916)〈藤波芙蓉〉三「薬物応用によって脱毛(ダツマウ)させる方法」
コトバンクより
日本で「毛を抜く」という意味で「脱毛」という言葉が使われ始めたのは100年くらい前らしいと推察できます。
それまでの「毛が抜ける」意味に加えて「毛を抜く」という意味を織り交ぜながら、今の「毛を生やさない状態にする施術」に対しても「脱毛」という言葉が当てられていったのではないかと。
それが実際の多くの施術とは異なる「脱毛=毛を抜く」というイメージにつながってるんじゃないかと思うワケです。
もう一つの理由は、元祖の脱毛技術。
今の脱毛技術の元祖は、直流電流による刺激を毛根の組織に加えることで毛根が死んで毛が生えてこなくなる方法なんですが、これが毛穴一つ一つに対しての施術でした。
この技術では処理した毛穴から毛を抜き去ることになるので、「脱毛=抜く」だったんですね。
この辺りのイメージが独り歩きして脈々と受け継がれてきたんじゃないかなとも思います。
実際は「抜かない」脱毛が主流です
でも、多くの脱毛サロンやクリニックでは、毛一本一本に対しての施術は「していない」のが実情です。
ここからは現在脱毛業界で採用されている脱毛の4大方式について、イラストを使って解説していきます。
光を一定範囲に照射する脱毛
現在ほとんどの脱毛サロンやクリニックで行われている脱毛は、一定面積に特殊な波長の光線を瞬間的に照射して、光線が当たった範囲全体の効果がある毛をまとめて処理する方法です。
「光脱毛」や「レーザー脱毛」がこれに当たります。
この2種類の方式、さらに細かく方式が分かれているんですが、大まかには以下のような共通した仕組みで毛を処理します。
毛は抜かずに剃った状態で施術を受ける
↓
光線が毛根に届くと、その光の熱によって毛根組織のたんぱく質が変性する
↓
その後時間差で毛根から毛が自然にするっと抜け落ちていく
つまり、光脱毛やレーザー脱毛では施術時には「毛を抜かない」ということになります。
ちょっとだけこの二つの違いを説明しておきますね。
レーザー脱毛では直進する光線によって毛根組織は破壊され、少ない回数で毛が生えてこない状態を作り出せます。
一方の光脱毛では照射された光は拡散するため、毛根の組織は破壊されません。その代わりに毛根の毛を生やす力を抑制することになります。
光脱毛とレーザー脱毛の効果の出方の違いは、ここにあります。
レーザー脱毛は医療行為となっているため、医師免許保持者のいる医療機関でしか施術を受けることができませんが、光脱毛は一般的なエステサロンで広く行われています。
また、施術時の刺激の強さも異なり、レーザー脱毛では痛く感じる場合が多く麻酔の用意をしているクリニックも多いです。
光脱毛では、細かく分かれた方式によって大小さまざまですが、レーザー脱毛よりは刺激が小さいことが多くなっています。
料金は1回当たりの単価で見るとレーザー脱毛の方が高く、光脱毛は安いですが、脱毛が終わるまでの期間で見た時はとんとんくらいになるケースが多いようです。
毛穴ひとつずつ、毛一本ずつ処理して「抜く」脱毛
毛を一本ずつ「抜く」脱毛、ちゃんとあるので、それを見ていきましょう。
毛穴ひとつに対して、毛根までごく細い電極を挿入し、先端が届いた毛根部分に電気刺激を瞬間的に加えて、毛根組織を破壊する方法、いわゆる「ニードル脱毛」です。
この場合、処理した毛穴からは毛をその場で取り除くので、「抜く」脱毛だと言えます。
これが先ほど説明した元祖の脱毛技術の現代バージョンを考えてOKです。
この方式だと、脱毛効果=毛が生えてこなくなる効果が確実にあり、いわゆる「永久脱毛」として認められているものになります。
パッとイメージしてもらえば分かると思いますが、ニードル脱毛の刺激は結構強いです。
また、施術する側に高い技術が必要になりますし、毛1本分で料金を設定していることが多いこともあり、料金が高めになっていることが多いです。
まとめて引き抜く脱毛
ニードル脱毛とは別に、「抜く」脱毛方式がもう一つあります。
「ワックス脱毛」です。「ブラジリアンワックス」などとも言われます。
なくしたい範囲の毛はある程度の長さにした上で、そこに特殊な薬剤を塗って毛を絡めとり、固化したところで引き剥がすのがこの方式の施術です。
基本的には毛をまとめて抜いているだけなので、「毛が生えてこなくなる状態」になるのは施術直後の一時期だけになります。
最近はいろんな薬剤が開発されているので、施術を続ければ毛が生えてこなくなるものもあるようです。
一気に多くの毛を引き抜くことになるので、その分刺激を強く感じるケースが多いようです。
「抜く」脱毛と「抜かない」脱毛の割合を調べてみた
脱毛は「抜く」のと「抜かない」のがあるということで解説してきました。
アナタの持っていた脱毛のイメージと合っていましたか?
じゃあ、実際「抜く」脱毛と「抜かない」脱毛ってどのくらいあるの?ってことで、いつものように福岡の主要サロン、クリニックを調べてみました。
シークレットモードで「メンズ or 男性+脱毛+福岡」で検索をして10ページ目までに出てきた、上記4大方式を扱う脱毛サロンとクリニック、全部で45軒の内訳は以下のようになりました。
光脱毛 21軒
レーザー脱毛 17軒
ニードル脱毛 3軒
ワックス 6軒
※レーザーとニードルを併用している店舗が3軒あり
ということで、もし仮にアナタが福岡近郊で脱毛に行こうと思って検索すると、「抜く」脱毛ではなく「光を当てる」脱毛に当たる確率が79%ある、ということになりました。
探し方はいろいろあるのでこの限りではありませんが、ほとんど「抜かない脱毛」だということで結論づけていいと思います。
イメージとして多くあるような「抜く」脱毛、シェアはそこまでは多くないというのが現実のようです。
やはり技術がかなり高度な分、スタッフの育成にも手間暇がかかるのが要因なんじゃないかと思います。
知ってるようで知らない脱毛の情報をお伝えします
ということで、脱毛の「抜く」というイメージは結構独り歩きしてるようで、実際は「抜かない」脱毛の方がシェアは多いんです、というお話でした。
男性の脱毛って、最近ものすごく流行ってきていますが、意外と内情が正確に伝わってないことが多いように感じています。
そういう「実は脱毛って◯◯なんです」という情報、今後もお届けしていきたいので、ぜひお楽しみに!