Last Updated on 2019年10月15日 by tsushima
脱毛を一度でも検討したことがある男性なら、『永久脱毛できたらいいだろうな』と考えたことがあるのではないでしょうか?
今回のブログではその「永久脱毛」について、未だに多くの日本人が知らない事実についてお伝えしていきます。
業界内では当然の事実なんですが、一般の脱毛希望者の方にはなかなか浸透していないお話です。永久脱毛を検討している方は、ぜひ最後までお付き合いください。
永久脱毛の定義とは
まずは「永久脱毛」という言葉のそもそもの定義から確認していきましょう。
この手の専門用語って、文字通りの解釈ではない定義っていうのがちゃんとあることが多いです。
別々の単語に同じ訳を当ててしまっていた件
「永久脱毛」という言葉は、1970年代にアメリカから脱毛技術が輸入されてきた時に“parmanent hair removal”という言葉の日本語訳として使われ始めました。
その後の技術革新によってアメリカでは“parmanent hair reduction”という言葉も出てきたのですが、日本ではこちらも「永久脱毛」という訳を当てられ、2種類の異なる脱毛方法が同じ言葉で扱われることになりました。
ただし辞書的な意味としては、“removal”は「除去」ですし、“reduction”は「減少」なので、だいぶ違うんです。
何となく気づいてきた方もいるかもしれません。要は、“removal”の脱毛方式なら、文字通り永久に毛が生えてこない脱毛だし、“reduction”の脱毛方式なら「毛が減った状態をキープする」脱毛になる、ってことですね。
永久脱毛の正体とは
ここまでは言葉そのものの意味からの解説ですが、ここからは専門用語としての定義をより詳しく見ていきます。
実は日本には「永久脱毛」という言葉を規定してる法令は存在しません。
なので、この言葉の意味は海外の専門機関の定義を参考にすることになります。日本では主にアメリカの2つの機関による定義を引用・紹介しているところが非常に多いです。
一つは、「米国電気脱毛協会(American Electrology Association)」による定義です。
永久脱毛とは、最終脱毛から1か月後の毛の再生率が20%以下の状態のことを指す
もう一つは、アメリカの厚生省、保健省に当たる「FDA(米国食品医薬品局)」による定義です。
・一定の脱毛施術を行った後に再発毛する本数が長期間において減少し、その状態が長期間に渡って維持されること
・3度のレーザー照射後、6か月経過した時の毛量が施術前より67%以上減っているもの
ということで、定義的には 「永久脱毛」とは文字通り「永久に毛が生えてこない状態になる脱毛ではない」 んです。あくまで「元の毛量より減った状態になる脱毛」なんですね。
「永久」であるエビデンスがまだない
そしてもう1点、「永久に生えてこないかどうかのデータ」についても触れておきます。
脱毛の技術自体が発表されたのは、19世紀の後半ですが、現在扱われている脱毛技術のベースができたのは1945年頃です。そこからの歴史としてはまだ7~80年ということになります。
日本に脱毛技術が輸入されたのが1970年代で、一般に普及し始めたのは1990年代ですから、脱毛の効果についての実績と言える実績は30年分くらいしか存在しないワケです。
なので「ホントの永久に生えてこないかどうか」を観察をする期間としてはまだ短く、文字通りの「永久」を保証するのはまだ厳しい状況だということになります。
そういう点からも「永久脱毛」が文字通りの意味で「永久に毛が生えてこない」とはハッキリ言えないってことが分かるかと思います。
ゼロが文字通りゼロじゃない定義も存在する
これに似た話、日本では結構多く見かけます。「ゼロカロリー」「ノンアルコール」「糖質0%」とかですね。
この辺りも定義自体が「ゼロ」じゃなかったり「ノン」じゃなかったりします。
・ゼロカロリー=100g当たり5kcal未満
・ノンアルコール=含有アルコール量が1%未満の飲料(通常清涼飲料水は含まない)
・糖質0%=100g当たり0.5g未満
若干は含まれてるけど、手を加えていない通常のものと比べると、そのものの影響が非常に小さくなる状態にしてあることを、こういう風に表記してる、ってことですね。
で、「永久脱毛」と同じように、この辺りの言葉の定義についても意外と認知が広まっていない現状っていうのがあります。
業界が広い・大きいほど、こういった言葉の使い方をごそっとまるごと変えるのは難しいので、消費者であるこちら側が正しい知識を持っておくことが必要になってきますね。
日本の永久脱毛の現状って?
さっきお伝えしたように、 日本では「永久に毛が生えてこなくなる脱毛」も「毛の減った状態をキープできる脱毛」も、どちらも「永久脱毛」って言葉で扱われていた過去 があって、でも消費者にはその違いはハッキリ伝わっていなかったので、いろいろトラブルが起こることもあったようです。
’90年代から’00年代にかけて脱毛のブームが一気に拡大した時代には、この「永久脱毛」って言葉がガンガンに使われていましたが、今はほとんど見かけなくなりましたよね?その理由はこの用語の定義とパッと見の字面から読み取れる意味の大きな差にもあったんです。
ここまでご紹介した定義で「永久脱毛」と謳っても、仮にその定義をキッチリ説明できていたとしても、『全然永久じゃない!ウソつき!』と言われてしまえばおしまいですからね苦笑
そういった混乱を防ぐために、現在の日本では以下のような使い方がされています。
永久脱毛 = 美容電気脱毛 = ニードル脱毛
これはニードル脱毛が最も古い歴史を持つ脱毛技術で、FDAからも「永久脱毛」の認定を受けている脱毛方式だからです。
医療脱毛=レーザー脱毛を「永久脱毛」と謳っているクリニックもありますが、その場合はFDAなどの専門機関による認可を受けた脱毛マシンを使っているのが条件になっているようです。
また日本の厚労省や医師法でもこの辺りの定義が規定、通告されています。
脱毛行為等に対する医師法の適用
以下に示す行為は、医師が行うのでなければ保健衛生上、危害の生じるおそれのある行為であり、医師免許を有しない者が業として行えば医師法第17条に違反すること
厚生労働省医政局医事課 通知(平成13年11月8日 医政医発第105号)
用いる機器が医療用であるか否かを問わず、レーザー光線又はその他の強力なエネルギーを有する光線を毛根部に照射し、毛乳頭、皮脂腺開口部等を破壊する行為
この定義・通告以外の脱毛方式では、「永久脱毛」と謳ってはいけないことになり、特にエステサロンで主に行われている光脱毛は定義的・専門的にはあくまで「減毛」であることになっています。
ちょっとややこしいですが、お分かりいただけたでしょうか?
最終的な脱毛の結果は同じになる?
『じゃあ光脱毛だったら結局最後は毛が復活するんかーい!』って話になってくるんですが、これってどの脱毛方式でも、もしかしたらニードル脱毛でさえも、同じなんじゃないかと考えます。
何事にも完璧はあり得ませんし、人間の身体にしても完全、100%っていうのはなかなかあり得ません。
自分の同年代の友だちで、10年以上前にレーザーでヒゲの脱毛をしっかり終わらせた人が二人いるんですが、その二人ともここ最近で無くしたヒゲが生え始めたと話していました。
この話に関してはサンプル数が少ないので参考にならないかもしれませんが。
そうでなくとも人間の身体には、欠けた・失ったもの、ダメージを受けた部分を元通り回復させる力「恒常性」が備わっています。脱毛の施術が一度完璧に終わったとしても、この力のせいで毛が復活してしまう可能性は完璧ゼロになるとは言えません。
また、20代前半のうちに脱毛をしっかり終わらせたとして、その後30歳前後の男性ホルモンのバランスの逆転が起こった際に毛穴が毛を復活させる可能性もゼロだとは言えません。
ニードル脱毛はその中でも精度・効果ともに非常に高いので、施術を受けた場合これら毛の復活する可能性は限りなく抑えられるはずですが、それ以外の方式の場合はあくまで“reduction”の脱毛のため、無くなった毛が復活する可能性を抱えている、と言えます。
ただ、逆に言うと、どんな方式であれ「一定のペースで継続して施術を受ける」ことによって、“reduction”の脱毛、すなわち、 最終脱毛から1か月後の毛の再生率が20%以下の状態であったり、一定の脱毛施術を行った後に再発毛する本数が長期間において減少し、その状態が長期間に渡って維持される状態は実現可能 だと言うことができるのではないかと思います。
脱毛技術が進歩した今なら、少なくとも最終脱毛から1か月後の毛の再生率が20%以下の状態っていうのは、期間の長短はあれどんな方式でも可能になっているのではないかと。
お断りですが、脱毛の効果の出方には個人差があり、特に男性の場合はその方のホルモンバランスにより差が大きく出ることがある、そして、現存する全ての脱毛方式を確認したワケではなく曖昧な言い方になっていることをご了承いただけたらと思います。
男性がよりハッキリと脱毛の効果を実感するために必要な知識
ということで、永久脱毛はは文字通りに永久じゃないことが多々ありますよ、っていうお話でした。
男性の脱毛では、特にヒゲやVIOの場合、その方のホルモンバランスが効果に大きく影響します。なので脱毛を受けている期間中は、スキンケア以外に体調の管理も意外と重要になってきます。
ホルモンバランスにできるだけ左右されずに、よりハッキリとした脱毛の効果を実感するために必要な知識あれこれをまとめたブログがあります。気になる方はぜひ参考にしてくださいね。