Last Updated on 2020年5月12日 by tsushima
脱毛はお客様のリクエストにできるだけ応えて、効果を最大限出せるように施術を進めていきます。
でも、初めて間もない人からのこんなリクエストは正直対応するのが難しいです。
どんなものかと言うと…
『早く効果を出したい/終わらせたいんでレベルを上げてください!』
これ、絶対できないワケでもないんですが、「ハイ分かりました上げますねー」とカンタンに判断できることでもありません。
特に、脱毛を始めて日が浅い方であればあるほど、即答・対応が難しいリクエストです。
今回はこの、「レベル上げて」のリクエストに応えるのが初心者ほど難しい理由について、サロン目線でお伝えします。
効果を出すための急なレベル上げは難しい
結論から言うと、脱毛を始めて間もない方であればあるほど、飛び級的にレベルを上げていくのはその方のお肌の安全上ものすごく難しい判断になります。
特に、 始めてから2~3回以内で急にレベルを上げることはオススメできません 。
また、マシンを扱う各メーカーが行う操作指導でも、脱毛スタート期間での急なレベル上げは推奨されていません。
逸る気持ち、分かります。
とにかく一日でも早くムダ毛がなくなって欲しいという気持ち、分かります。
でも、実際に施術を行うプロもマシンの設計をしているプロも推奨していないという事実、ぜひ覚えておいてほしいです。
なので、レベルの調整はプロのこちらにぜひお任せください。
その方のお肌の安全を毎回確認し、メーカーからの指導に則って正しい手順を踏んで少しずつレベルを上げていきます。
もちろんお肌の強い弱いには個人差があるので、レベルの上げ幅は人それぞれ変わってきます。
レベルの上げ幅を大きくしても問題なさそうだと判断できれば、お客様側のリクエストに応じてレベルを上げていくこともできます。
ちなみに、脱毛を始めて間もない2~3回目ですでにハッキリ効果が出ているのであれば、むやみやたらにレベルを上げる必要はありません。
レベルの上げ幅を大きくするのは、数回の施術でビクともしない毛がある場合の対処法だからです。
レベル上げより「一定間隔で通う」「毎日の保湿」こと効果につながる
そして、レベルを上げる上げないよりも大事なことが2つあります。
一つは、一定の間隔で脱毛に通えるようにお客様自身でスケジューリングをしてもらうこと。
もう一つは、脱毛する部分毎日の保湿する習慣を身につけて、お肌をレベルを上げても平気な状態にキープしてもらうこと。
この2つの方が最終的な脱毛の効果をハッキリ実感してもらうには必要です。
どれだけレベルを上げても、継続して施術を受けていただけないと、脱毛完了までにかかる回数も期間の伸びてしまいます。
また、これが一番怖いんですが、レベルを上げた施術にお肌が耐えられなかった場合、
- 赤みが出る
- ヒリつく
- かゆみが出る
- 火傷のような症状が出る(←最悪の場合)
こんな肌トラブルを起こしかねません。
これ、今ある全ての脱毛サロンで防がないといけない事案であり義務なんです。(何故かは後で話します)
ということで、よりハッキリとした効果を出すためにお客様側には、
「一定の間隔で通ってもらう」
「保湿を毎日する」
この2つをぜひお願いしたいです。
効果を上げるための急なレベル上げが難しいイメージを持とう
と言っても、『とにかく早く効果出したいんだよ』という方ももちろんいると思います。
そういう方のために、イメージしやすい例えをいくつか紹介します。
脱毛は人の身体に変化を加える(≒生えていた毛を生やさないようにする)施術です。
その他にも人の身体に変化を加えるときのことをイメージしてもらうと伝わりやすいんじゃないかと思います。
例1. お酒に強くなりたいなら
例えば、お酒が元々弱くて強くなりたいと言ってる人がいたとします。
その人のお酒トレーニングの初めに、いきなりテキーラのショット10杯を飲ませる!というのは無謀なことですよね。
普通なら、度の弱いものから少量ずつ始めるのではないでしょうか?
それから慣れてきたら量を増やしたり度を増やしたり、合う合わないを見ながら鍛えていくと思います。
例2. 筋肉をつけたいなら
筋トレについてもイメージしてみてください。
ボディコンテストに出たいけど、太りたくても太れない痩せ体型の人がいるとします。
その人のトレーニングスタート初日に、「今日から毎日ベンチプレス50kg×100回な!」っていうのは誰が聞いても故障の原因にしかならない無理な話です。
持ち上げられる範囲の重さから少しずつ負荷を増やしていって、さらに吸収しやすいタイミングでタンパク質を摂ることで筋肉は大きくなるものです。
例3. 食べる量を増やそうとしたら
もう一つ、例えば食事の量。
定食屋の定食を全部食べられないくらいの小食の人が、牛丼屋のギガ盛りを食べられるようになりたい、と言ったとします。(多分こういうシチュエーションは起こりにくいと思います←)
こんなとき、いきなりそのギガ盛りを食べに行くっていうのは無理ゲーですよね。
並盛、中盛り、大盛と少しずつ増やしていくのが正攻法でしょう。
ペースを守ってレベルを上げることが安全で効果的です
このように、人の身体に何かしらの変化を加えて、それを持続させていくためには、最初から大きい負荷をかけるのはトラブルの元であり、長続きしない原因になります。
正しく目的を達成させるためには、少しずつペースを守って様子見しながら負荷を増やしていくことが大事なんです。
脱毛も同じ。
始めて間もない方のリクエストに即答してレベルを上げると、肌が慣れてない分トラブルが起こりやすいので危険です。
そもそも最初からレベルをグッと上げてしまうと痛く感じてしまうことが多く、その痛みのせいでせっかく始めた脱毛を諦めてしまうことにもなりかねません。
そういったいろんなトラブルを防ぐのがサロン側の役目なので、特に始めたばかりの方の「レベル上げて」のリクエストには応えるのがすごく難しいんです。
効果を出すためにレベル上げをしてしまった脱毛業界の黒歴史
そして、「レベル上げて」と思う方にぜひ知っておいてほしいこの業界の黒歴史についてもお話しておきます。
今は法律も整備され、安全で効果が出やすい脱毛技術が成熟している時代なので、本当によっぽど無理な施術をしない限り肌トラブルが起こるということはないと思います。
ですが、これがひと昔前、脱毛が日本で最初に大流行した頃は、いろんな規制がなかったために脱毛によるトラブルが結構な頻度で起こっていました。
特に実績を出すことを重視したあまり無理なレベル上げで火傷を負わせてしまい、みたいな話が多かったんです。
その結果、一件のトラブルで関係機関各所に通報がいき、全国にある系列店舗が全店閉鎖に追い込まれるという大規模な事件が度々ありました。
アラサー以降の方であれば、そういうニュースを小さい頃に見聞きした記憶があるのではないでしょうか?
そういった事件が起こる度、そのお店に通っていたお客様全員が路頭に迷っていました。
この仕事を始めた当初は、その手のお話をお客様からよく伺っていたものです。
なので、今脱毛業界にいる自分たちには、そういった業界の黒歴史を二度と繰り返さない=肌トラブルを最大限ゼロにする義務と使命があるワケです。
(と、少なくとも自分は勝手に思っています)
お客様からのリクエストにはできるだけお応えして、その方の理想に一日でも早く近づいてもらいたいと思って、安全で効果的な施術ができるようにしています。
が、脱毛を始めて間もない方の「レベル上げて」のリクエストには、こんな脱毛屋の義務と使命から100%お応えすることが難しいんです。
レベル上げのリクエストはじっくり相談を
ということで、「レベル上げて」というリクエスト、特に脱毛を始めて間もない方からのものにお応えするのは難しいというお話、サロン側の目線でお伝えしました。
これを読んでもらって、『あぁなるほど』と思ってもらえたら嬉しいです。
それでもどうしてもレベルを上げてほしいんだ!という方、一度施術担当のスタッフに腰を据えて相談してみてください。
そしてご自身でも「一定の間隔で通う」「毎日保湿する」の2つのポイントをとにかく徹底して、毎回の脱毛を受けに行ってください。
3つの例えのようにコツコツやっていくことが、実は一番の近道です。
焦らずに一歩ずつ少しずつ、アナタの理想の脱毛に向けて前進していきましょう。