Last Updated on 2019年6月21日 by tsushima
『サロンで脱毛するのは高いから、家庭用脱毛器を買おうっかなー』
という方ももちろんいると思います。
家庭用の脱毛器や、除毛クリームの類は店頭でもインターネットショップでも様々なものが売られていますよね。
何十万のコースにお金を使うより、数万円の機械や薬剤を買った方がお手軽&安上がりなことには間違いありません。
が…
中には引っかかってはいけないモノもあって、今回は最近見つけた怪しい商品を例に、こういうモノには引っかかってはいけませんよ、っていう解説をしていきます。
何か買ってご自宅で脱毛しようと考えている方、必見です。
家庭用の「永久脱毛」アイテム、OUT!
「自宅でできる5分永久脱毛」が凄すぎた!
「IPL家庭用脱毛器・永久脱毛」
最近、こんなキャッチフレーズの商品を見つけました。もうこの時点で危ないです。
脱毛するのが全く初めての方がこういう広告を見たら、かなりの確率で買いたい!と思うでしょう。
ですが、 残念ながら永久脱毛は家庭では行えません 。
日本で永久脱毛を謳っていいのは、「ニードル脱毛」と呼ばれる方式の脱毛と、アメリカの厚生省に当たるFDAから認可を受けたマシンを使って行うレーザー脱毛だけだからです。
こんな通達が厚労省から出ています。
脱毛行為等に対する医師法の適用
以下に示す行為は、医師が行うのでなければ保健衛生上、危害の生じるおそれのある行為であり、医師免許を有しない者が業として行えば医師法第17条に違反すること厚生労働省医政局医事課 通知(平成13年11月8日 医政医発第105号)
用いる機器が医療用であるか否かを問わず、レーザー光線又はその他の強力なエネルギーを有する光線を毛根部に照射し、毛乳頭、皮脂腺開口部等を破壊する行為
なので、定められた方式、マシンを使う脱毛以外で「永久脱毛」って言葉を使っちゃうと、『つまりそれは毛根を破壊してるってことなんだね?』と医師法に違反する可能性が非常に高くなってしまうんです。
なので、一般の人が買える商品で「永久脱毛」って書いてあるってことは、
・法律に違反してる可能性大
・法律を知らない可能性大
・毛根の組織を破壊するほど強力で、知識がないとトラブルが起こる可能性大
のようなリスクがあるということになります。
また、そもそも「永久脱毛」って言葉自体、文字通りの「永久に毛が生えてこなくなる」状態を指す、という定義ではありません。
なので、何か製品の広告で「永久脱毛」の表記があった場合は、まず疑ってかかった方が得策です。
また、例えば『「エステでも採用しているIPLを使った家庭用脱毛器」で永久脱毛ができる』と説明があった場合もアウトです。
エステサロンで一般的に行われているのは光脱毛という方式ですが、その中にIPLという特殊な波長の光を照射して施術をする方式があります。
この方式の脱毛は、先ほど紹介した毛根部分を破壊する行為には当たらないため、永久脱毛を謳うことはできません。
なので、「エステと同じ方式の永久脱毛」などの表記がある家庭用光脱毛器にも注意が必要です。
この辺りの言葉の定義の話は、より詳しくまとめたブログをどうぞ。
家庭用脱毛器・薬剤は、使い方に十分に注意
今回の元ネタになった製品ですが、一つはネット上の広告から、もう一つは友だちの相談に乗っていて教えてもらって、それぞれ見つけました。
家庭用脱毛器の注意点
一方は家庭用の光脱毛器。
これはIPLを使っているようなんですが、IPLの脱毛って結構刺激を強く感じることが多いんですよね。
イコール肌に加わる熱量も多いので、赤くなったりヒリついたりするリスクもあります。
脱毛サロンでIPLで施術をする場合は、徹底的に肌を鎮静化させる工程があるため、よほどのことがない限りはトラブルにはなりませ(よほどのこと=皮膚科、内科に通院中、服薬中、発熱中、etc…)
もしご自宅でこの手の機械を使って脱毛をする場合は、とにかく冷やす・とにかく保湿する、を徹底することをオススメします。
お持ちのフェイスタオルを濡らして、冷蔵庫に2~3時間入れておけば、冷却アイテムとして使えます。
化粧水や保湿クリームを使用後に塗るのは必須です。
ちなみに脱毛サロンに行くと、こういう手間のかかることを全てプロが行ってくれます。
サロンに行けば脱毛専用のジェルもあって、それで肌を保護しながら安全に施術をしてくれる場合があります(ジェルを塗らなくても安全な、IPL以外の方式もあります)。
ご自宅ではそういったプロの手間を全て自分でやることになるので、ぜひ手を抜かずに、ご自身の肌の安全のために丁寧な脱毛をしてください。
除毛クリームの注意点
もう片方は除毛クリームなんですが、こっちが非常にアブナイもので。
製品公式サイトには、「VIOにはオススメしません」と書いてあるのに、広告ページには「全力でオススメします!」と書いてありまっした。
公式のインストラクションを無視してオススメしてくるのは危なっかしいですよねぇ…
他の除毛クリームも多くの場合VIOに使ってはいけない注意書きがあるはずです。
除毛クリームって、塗って放置して拭き取る・洗い流すだけなのですごくカンタンにムダ毛処理ができるんですが、カンタンにできるの理由は毛のたんぱく質を溶かす作用のある成分です。
「チオグリコール酸カルシウム」などの成分が入っていることが多いんですが、この成分、カンタンに言うとさっきも説明した通りたんぱく質を溶かす作用があります。
そして毛はたんぱく質でできているので、そこに作用するワケですが、その周辺の皮ふもたんぱく質でできているので、そっちにも作用しちゃいます。
なので、VIOなど肌がそもそも薄く敏感な部分に 除毛クリームを使ってしまうと真っ赤になったりヒリヒリしたり、場合によっては痛みを伴う こともあるワケです。
そういうリスクのある成分が入っていて、公式ではオススメしていない使い方を全力でオススメしてくる広告には決して惑わされてはいけません。
家庭用脱毛アイテムはよく見極めて購入を決めよう
ということで、巷で売られている脱毛アイテムは、その説明をよく読んだ上で、注意して購入するかどうかを決めましょう、ってお話でした!
脱毛は脱毛サロンでやった方が安全だし効果も確かです。
とは言え、予算がないとか時間がないとか、いろんな理由で行くに行けない方もいると思います。
そういう方がご自宅でご自身の責任の元にいろいろ使って脱毛をするのは、構わないと個人的には考えています。
ただ、今回解説したように、敢えてグレー(というか見る人が見たら完全黒)なとこに踏み込んで宣伝している製品もいろいろあるのは確か。
そういう製品って品質面もちょっと怪しいところがあるので、仮に買ったとしてもすぐ壊れるとか全然効果がないとか、逆に効果が出すぎて肌トラブルになるとか、結果お金のムダになりかねません。
家庭用はそういったリスクもあるということを十分把握した上で、それでもご自宅で、というなら、しっかり時間をかけて選んで、予算をケチらず良い物をGETしましょう。